【傑作冒険小説】眠れぬ夜に夢中でむさぼりたいおすすめ作品5選

ワクワク、ドキドキ、ハラハラする冒険小説は、明日への活力を養うのにうってつけ。

眠れぬ夜にああだこうだと悩むくらいなら、いっそ本の中へ入り込んで冒険してみませんか？

今回ご紹介する5作品は、いずれも長編ですが、読み終わるのがもったいないと思うくらい夢中になってしまうことでしょう。本を読む楽しさ、空想の世界に心を解き放つ興奮を、ぜひたっぷりと味わってくださいね。

【傑作冒険小説】眠れぬ夜に夢中でむさぼりたいおすすめ作品5選

冒険小説とは、主人公が危険を顧みずチャレンジを行なったり、歴史的な事件を題材にした壮大なストーリーなど、読者がハラハラするような展開に富んだストーリーを指します。

SFやミステリー、スパイ、海洋、山岳、無人島、探検といった要素も含み、私たちの日常からはかけ離れた世界が舞台のもの、あるいは主人公がとんでもない試練に合う展開などが魅力。

今回紹介する作品群のキーワードを並べてみると、「妖怪と神話」、「アフリカ呪術」、「中国歴史ロマン」、「影武者」、「無人島に取り残された少年たち」……。

どうです？キーワードだけでワクワクしてきませんか？

ではさっそく紹介していきましょう！

『丹吉』松村進吉

現代によみがえった化け狸・丹吉が主人公の、妖怪も神も人間も入り乱れての大騒動。かつて「赤殿中」の名で知られていた丹吉は、エッチな悪事によって徳島県にある弁天山の卑猥な形の岩に閉じ込められていました。ある日、弁天山の神であるプチ弁天は「プチ」であることを他の神々から馬鹿にされ、悔しさから丹吉を自分の神使いにさせるべく復活させることに。信心深い人間のとち子、お目付け役の蛇、うさぎや猫などなど、どのキャラクターも愛おしく、波乱の展開にワクワクしっぱなしの冒険活劇です。

作者は怪談実話のトップランナーとして多くの著作を出版している松村進吉氏。お住まいである徳島県を舞台に、チャット仲間たちをモデルにキャラクターを作り上げたそう。「バブみ」「ポリコレ棒」など、令和のネットスラングも織り交ぜながら、阿波の狸合戦が令和の世に繰り広げられるという楽しい楽しい読み物です◎

詳しくは下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

『ガダラの豚』（全3巻）中島らも

超能力・占い・宗教。人の心の闇をひもとく一大エンターテインメント。テレビにも引っ張りだこのアフリカの呪術研究を行なう大生部教授は、家族と訪れていたアフリカで長女を気球事故で亡くしてからアル中になっていました。妻も精神を病み、奇跡を売りにした新興宗教へはまってしまいます。大生部は手品師・ミラクルと共に妻を宗教から奪還しようとしますが……。やがて舞台はアフリカの稀代の呪術師の元へ。壮大な物語が幕を開けます。

仲間由紀恵＆阿部寛主演のドラマ『TRICK』の世界観がお好きな方にぴったり。『ガダラの豚』発行当時は、サリン事件などが起こり新興宗教に対する警戒心が強まっていた頃でした。神の力と思われていた奇跡のトリックを手品で暴くところや、アフリカの呪術師・バキリが語るこの世の解釈などは必読。人間の心の闇を描き出しながら、明るさも失わないのは関西のお笑いにも長けた中島氏ならではでしょう。本当に面白いので、一気読み必至。眠れぬ覚悟でチャレンジくださいね？

『蒼穹の昴』（全四巻）浅田次郎

極貧から壮絶に生き抜く少年の姿を描く歴史ロマン。「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」。そう占い師の老婆から預言されたのは、糞拾いの貧しい少年・春児でした。この予言を胸に、春児は兄貴分の梁文秀と共に北京へと上るのでしたが、そこで待っていたのは過酷な運命。地獄のような科挙の試験を乗り越えて高官となった文秀と共に、波乱の歴史に身を投じることになります──。

なんという感情を揺さぶられる小説！中国の宮廷を舞台に繰り広げられる物語に、すっかり心を奪われてしまいます。それは主人公・春児の気持ちの強さ。そして野望や権謀術策がうずまく一筋縄ではいかない登場人物たち。近代史が苦手な方もすっかりはまってしまうのではないでしょうか。私はかつての宦官たちが春児に夢を見、様々なしきたりを教えるところが大好き。この先どうなっちゃうの～～？とハラハラわくわくしながらページをめくってください◎

詳しくは下記の記事で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

『蠅の王』ウィリアム・ゴールディング

時は未来。大戦の最中に、疎開するため少年たちを乗せた飛行機が不時着したのは、南太平洋の孤島でした。大人たちのいない中で、少年たちは自ら隊長を選び救援を待つことにします。しかし徐々にその秩序は乱れ、少年たちは自らの獣性に目覚めて激しい内部対立を起こし、やがて仲間を手にかけるまでに…。少年を主人公としながら、実は限定された組織の中で人間がどうなっていくのかを鋭く描き出す問題作。

まとめ：明日への元気が湧いて来る最高のリフレッシュ作品

以上、傑作冒険小説を5作品紹介しました。

• 『丹吉』松村進吉
• 『ガダラの豚』中島らも
• 『蒼穹の昴』浅田次郎
• 『影武者徳川家康』隆慶一郎
• 『蠅の王』ウィリアム・ゴールディング

どの作品も続きが気になって、長編であっても一気に読んでしまいたくなるでしょう。

あなたの心に刺さる作品が一つでも見つかればうれしいです。

本は心の窓。

どこまでも空想の翼に乗って、時代も空間も超えて、スリリングにシリアスに時にユーモラスに思う存分楽しみましょう。

それではまた次の本でお会いしましょう。

いつも本と一緒。本と いる。