【傑作】Kindle Unlimited／おすすめ幻想・ホラー小説10選

Kindle Unlimitedは、電子書籍が読み放題できるAmazonのサービスです。

読書習慣を身につけたい方や、お得に読書を楽しみたい方、毎日の通勤途中や、旅行先でも読書を楽しみたい方にうってつけ。

今回は、Kindle Unlimited対象商品の中から、おすすめの幻想小説＆怪奇ホラー小説を10作品ご紹介します。耽美な作品からミステリー、ゾッとする怖いお話までさまざまに厳選しました。

幻想小説やホラー小説が好きという方へ、きっと気になる作品が見つかることでしょう。

Kindle Unlimitedで読める！おすすめ幻想・ホラー小説

幻想小説とホラー小説。この二つは違うようで、重なっている部分も多いですよね。

幻想小説のもとを辿ると、神話や民話の中の妖精や精霊の話に行き着きます。

広くは現実から離れた神秘的な世界、空想の中の世界を描いた作品としてカテゴライズされますが、その中には幽霊や悪魔が出て来る話も多いため、人々に恐怖を与えるホラー小説と重なる部分もあるというわけです。

では、さっそくおすすめの幻想小説＆ホラー小説をご紹介していきましょう◎

Kindle Unlimitedで読める！おすすめ幻想小説

『愛と髑髏と』皆川博子

檻の中に監禁された「私」は、いつしか目の前の檻に入れられた孤高の犬狼に激しい恋情を抱くようになる…（「悦楽園」）、どうしようもない昏い鬱屈が少女の中から噴きあがるとき─（「人それぞれに噴火獣」）、まるでゼリーのようにたわいない供述を繰り返す女の殺害の動機は…（「舟歌」）ほか。そうだ、理路整然とした感情などこの世にあるはずもないと思わせる、静かな悲鳴のような八つの作品が入っています。幻想小説の名手・皆川博子が繰り広げる、愛ゆえの毒に満ちた初期短編集。

私が皆川博子氏の作品を初めて触れたのが、この『愛と髑髏と』でした。それ以来ずっと氏の作品に魅了され続けています。特に『愛と髑髏と』の中の「人それぞれに噴火獣」はボードレールの言葉からだそうですが、ふとしたときに私の中にも噴火獣がいることに気づくことがあり、その度にこの言葉を思い出してしまいます。

『夜市』恒川光太郎

日本ホラー小説大賞受賞作品。妖怪たちが様々なものを売る夜市に幼い頃まぎれこんでしまった少年・裕司は、「野球の才能」と引き換えに弟を市に売ってしまった。その罪悪感にさいなまれ続けながら大学生となった彼は、再び夜市へ足を踏み入れるのでした。幻想的な夜市の描写と、予想外の展開に何度も心がかき乱される感動の結末。

日常のすぐ隣にある異世界を魅力的に描く恒川光太郎氏のデビュー作です。きっと何度もあなたは驚くことになるでしょう。日本ホラー小説大賞受賞作品ですが、「怖い」というよりも「幻想」寄りですので、今回は幻想小説の枠で紹介しました。

詳しくは下記の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。『夜市』はKindle Unlimitedでも読めるほか、Audibleの対象作品でもあります。

オーディブルについては下記の記事で紹介していますよ。「聴く読書」に興味のある方はぜひお試しを。

『虚無への供物』（上）中井英夫

『ドグラ・マグラ』、『黒死館殺人事件』と並び、「日本三大奇書」と呼ばれる傑作ミステリー。奇書とされる理由は、推理小説でありながら推理小説ではない「アンチ推理小説」だからです。昭和二十九年、洞爺丸沈没事故により両親を失った三兄弟をさらなる不運が襲います。薔薇や不動といった神秘的な謎に彩られた4つの密室殺人は、予想を裏切る結末へと……。

この作品が読み放題で読めるとは贅沢！

思わずそう思ってしまいました。ミステリーでありながら、幻想小説の大家である中井英夫の美意識が絢爛に表現された唯一無二のミステリー。続きが気になってあっという間に読めてしまうのではないでしょうか。幻想小説好きの方も、ミステリー好きの方も、一度は読んでおきたい名作中の名作です。

『匣の中の失楽』竹本健治

「日本三大奇書」とされる『ドグラ・マグラ』、『黒死館殺人事件』、『虚無への供物』に、この『匣の中の失楽』を加えて「日本四大奇書」とされることも。ミステリー好きの大学生が密室で殺害されるのですが、その方法が仲間が書いている小説どおりで…。

現実と虚構を行ったり来たりするメタフィクション（※）が特徴的な作品です。三大奇書を読んでいなくても楽しめますが、読んでいればなお一層楽しめる構造になっています。

※）メタフィクションとは、フィクションであることを登場人物が示唆する表現のこと。例えばメタフィクションの作品では、作中の人物が「自分は物語の中の人物である」と語ったり、作者と対話をしたりします。

『幻想博物誌』日影丈吉

療養先の村で出会った少女はまるで水の精のようだった。兄の中尉、そして蟹ばかり描く画家。彼女をめぐる人々の思惑の果てにやがて悲劇が…（「月夜蟹」）。病に伏した妻は不実な夫が自分の死を願っているだろうと察するものの、ある日彼女の部屋を訪れた蝶が彼女の心を一転させ…（「蝶のやどり」）。パリを旅行中の「私」は人口も少ない谷間の町に西蔵猫（チベット猫）がたくさんいるという噂を聞き訪れるも、時計台の音にある予言を聞いて──（「猫の泉」）ほか、傑作七編が収録されています。

フランス文学の翻訳者としても、江戸川乱歩が認めた探偵小説家としても活躍した、日影丈吉の珠玉の短編集。

特に「猫の泉」は、フランスの寂れた町の広場に残る泉に猫が集う情景が心惹かれる作品です。日影丈吉の代表作として名高いこの作品には、「岩合光昭の世界ネコ歩き」を思い浮かべてしまう人もちょっといるかもしれません。

幻想的、というよりも幻惑的。一度はまったら、つぎつぎと味わいたくなることまちがいなしです。

Kindle Unlimitedで読める！おすすめホラー小説

『再生　角川ホラー文庫ベストセレクション』朝宮運河（編）

角川ホラー文庫の傑作選として編まれた傑作短編集。大学教授が共に暮らし始めた女性は「自分の体が呪われている」と言うのですが、あるとき事件が起こり…（綾辻行人「再生」）。ほか、『リング』の鈴木光司が東京湾のクルーズ船を舞台に戦慄の一夜を描く「夢の島クルーズ」、澤村伊智の学園ホラー「学校は死の匂い」など、有名作家が織りなす恐ろしい短編の数々にゾクゾク必至。

『忌まわ昔』岩井志麻子

「今は昔」で始まり、「となん語り伝えたるや」で終わる「今昔物語」。平安末期の成立と伝わる説話集の舞台を現代は令和の時代に置換え、今も昔も変わらない人間の業を描き出します。なぜか山の中で焼死体となって見つかった団地妻、母親に美貌を搾取され売られる娘…。実話怪談のような、日常に潜む人間の心の闇、そのグロテスクなまでの恐ろしさにじわじわと震えがくる──、そんな作品が10編みっしり詰まっています。

実話系のどろどろした話が好きな方におすすめ。一話目の兎の話は、ゾワゾワ興味をそそられつつどうにも後味が悪かったのですが、二話目の歌手をだます女の子の話は爽快感があって楽しかったです。

悪いことにはちがいないのですが、不思議と応援したくなってくるんですよね。

『異端の祝祭』芦花公園

人生何をやってもうまくいかない主人公・島本笑美。その理由は彼女が「生きている人間」と「そうでない人間」の区別がつかないこと。日常の中でも「そうでない人間」を見てしまう笑美は、就職のため面接を受けた「モリヤ食品」でも、青年社長・ヤンの後ろにふらふらと揺れる手足が歪な女がいるのを見てしまいます。思わず倒れ込んでしまった笑美を抱き起したヤンは、なぜか笑美に内定を出したのでした……。

冒頭から続く気味の悪い描写に、読み始めたら止まらない。謎の「モリヤ食品」の正体とは──？ 新興宗教や民俗学にまで発展していくストーリーには夢中にさせられました。

『小説　シライサン』乙一

飯豊まりえ主演で映画化された作品。親友の変死を目撃した女子大生・瑞紀。彼女の前に現れたのは、同じように弟を亡くした青年・春男でした。何かに怯えたのか、眼球を破裂させて死んだ二人に共通していたのは、ある温泉旅館で聞いた怪談で……。

『るんびにの子ども』宇佐美まこと

草が生い茂り危ないからと近づくのを禁止された池で、水から上がってくる自分たちと同じ年齢の少女を見た四人の園児。その後、その女の子を園でも見かけるようになり……（第1回『幽』怪談文学賞短部門で大賞を受賞した「るんびにの子供」）。女のヒモ生活を追い出され、悪事の果てに辿り着いた古家の老夫婦に孫だと思わせ同居する男は…（「柘榴の家」）ほか、7編の怪談作品が収録されています。

まとめ：幻想・ホラー小説の傑作を紹介

今回紹介した作品は、いずれも幻想・ホラー小説の名作ばかり。

極上のメインディッシュのように、深く深く心に残り、あなたの読書観をも塗り変えてしまうかもしれません。

今回ご紹介した本をまとめておきますね。

• 『愛と髑髏と』皆川博子
• 『夜市』恒川光太郎
• 『虚無への供物』（上）中井英夫
• 『匣の中の失楽』竹本健治
• 『幻想博物誌』日影丈吉
• 『再生　角川ホラー文庫ベストセレクション』朝宮 運河（編）
• 『忌まわ昔』岩井志麻子
• 『異端の祝祭』芦花公園
• 『小説　シライサン』乙一
• 『るんびにの子ども』宇佐美まこと

こんな素晴らしい傑作が次々と読めてしまうのですから、Kindle Unlimited　おそるべし！

無料で30日間の体験もできて解約もカンタンですので、まだ試していない方はぜひ試してみてください。

詳しくは下記の記事に、契約方法から解約方法まで書いていますのであわせてどうぞ。

あなたと本との、素敵な出逢いがありますように。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

いつも本と一緒。本といる。