「読書したほうがいいとは思っているけれど、具体的なメリットってなに?」
このページを開いたあなたは、そんな疑問をもって検索されたのではないでしょうか。
私は子供の頃から読書が好きでしたが、読書で得られるメリットについては漠然としたものしか考えていませんでした。
けれど調べてみると、読書には本当にたくさんの効果があり、子どもはもちろん大人でも読書によって脳の働きを強化できるということが分かったのです。
- ブログ管理人:hontoiru
- 編集ディレクターを経て現在はフリーライター
- 本業では主に飲食系やエンタメ系のライティングを担当
- 趣味は読書、歴史、カフェ巡りなど
「なかなか本に手が伸びにくい」という方はもちろん、「読書は好きだけど効果については深く考えていなかった」という方も、この読書のメリットを知ればもっと豊かな読書体験ができるようになるでしょう。
読書の効果を示す調査研究の結果
平成23年度に発表された文部科学省の「生涯学習施策に関する調査研究」報告書の中に「読書の効果に関する調査研究の成果」があります。
これは世界各国の子どもを対象とした「読書の効果に関する調査研究」をまとめたもの。
いくつかポイントを挙げてみると…(後で要約しています)
- 読書には内的要因と外的要因があり、多岐にわたる意欲のうち自己に内在する意欲が特に強力
- 読書への意欲は、読書成績を強力に予測する
- 図書館を利用する子は宿題をやり終える割合が良くなる
- 本を声に出して読むことが幼い子どもに与える効果が大きい
- 読書活動が活発である「フィンランド」と「カナダ」では電子書籍やオーディオブックの利用を推進している
ちょっと難しい言葉も多いのですが、つまり…
読書をするには「読みたい、知りたい、楽しい」といった自分の中から湧き出る欲求が一番ということ。
また読書をすることで、子どもの成績がよくなったり、宿題を最後までやり終える力がつく。
さらに、「子どもだけに読書をさせる」のではなく、大人も一緒に本を読んだり音読してあげることで、より子どもが読書に親しむことができる。特に声に出して読み聞かせするのは効果的。
そして、読書活動が活発な国では、電子書籍やオーディオブックを大いに取り入れている、というのです。
さらに、最新の令和4年度の「子供の読書活動推進に関する有識者会議 論点まとめ(案)」でも、
多様な人々と協議しながら様々な社会的変化を乗り越えていく中で、読解力や想像力、思考力、表現力を養う読書活動は非常に重要である(要約)
とされています。
最新の研究でわかった「大人の脳も成長できる」
読書が子どもの学習意欲や成長に欠かせないものであることが上記の調査で分かりました。
お子さんがいらっしゃる方は、ぜひお子さんと一緒に《ご自分も》本を楽しまれるといいでしょう。
では大人はどうでしょうか。
「大人になってから読書をしたってどうせ身につかない」
「もうこれ以上成長しないに決まっている」
そんな風にまだ思っている人がいるとすれば、それはとてももったいないことです。
勉強は子どものときにしなければ意味がない、大人になってからしても無駄、というのは一昔前の考え方。
現在では、「脳はいつまでも成長しつづける」という研究結果が出ているのです。
脳細胞は生まれた瞬間から減っていくと考えられていたのですが、記憶や空間学習能力に関わる脳の器官「海馬」だけは、脳細胞を新しく生み出し続けているのです。
そして「好奇心をもっている人、趣味をもってイキイキ生活している人」ほど、いつまでも脳の萎縮が少ないのだとか。脳にとって一番の栄養は「好奇心」だそうです。好奇心!
「大人の脳は成長しない」という大きな誤解(東北大学加齢医学研究所教授、医師、医学博士 瀧 靖之/東洋経済ONLINEより)
まだまだある、読書で得られる7つのメリット
それでは、ここからは子どもの頃から読書に親しんできた私の実感をもとに、読書で得られる具体的な効果を考えていきましょう。
たくさんあるのですが、7つにまとめてみました。
語彙力が上がり、文章力・コミュニケーション力もUPする
「ああ~~この気持ち、言葉にできない~~!」
推しについて語るとき、おいしいものを食べた時、失恋したとき、友人の心ない言葉にもやもやしたとき。
あなたはどう表現していいか分からなくてもどかしく感じたことはありませんか?
よりたくさんの言葉を知っていれば、あなたの気持ちにぴったりの言葉が思い浮かぶ確立は高くなります。きちんと思いを伝えられれば、誤解を招くような事態も少なくなり、コミュニケーション能力もアップするでしょう。また、文章を読んで理解する力も磨かれ、自然とあなたが書く文章も、相手にもっと届くものになるはずです。
特に文学作品は、ハッとするような言葉選びで「ああ、それ、それが言いたかった!」という想いをズバリと表してくれる語彙の宝庫です。
多様な価値観で感性をアップデートできる
人間は、幼い頃「こうしなさい」と言われたことに大人になってからも縛られていたり、日々接する家族や友人、同僚などの狭い範囲の中の常識をうたがうこともなく受け入れて、それが「正しい」と思い込んでしまうものです。もちろん私もそうです。
しかし、世界にはもっと違う価値観をもっている人がいます。また、常に価値観は新しく更新されていきます。
読書を通じて、自分の身の回りにいないような様々な人の生きる喜びや苦悩を知り、あなたが思ってもみなかったような考え方や発想に触れることで、今までとはちがった柔軟な物の見方ができるようになるでしょう。
たとえ自分にとって受け入れがたい考えであったとしても、「世の中には自分とは全く違う考え方、感じ方をする人がいるんだ」ということを知ることで、他人をすぐに否定してしまったり、非難してしまうことのない心の余裕につなげることはできるはずです。
想像力が広がり思いやりも生まれる
誰でも一度は対人関係に悩んだことがあるでしょう。
思いもよらない酷い言葉を投げつけられて、「どうしてあの人はあんなことを言うのだろう?」と、悔しくてたまらなくなったりしたことはありませんか?
私はあります笑
でもそういう時は視点を変えて、相手の目線で状況を眺めてみたりします。すると、意外とそんなに酷い意味ではなかったのでは? あるいは、私が先に気に障ることを言ったのでは? それとも、実は私がもっている◎◎がうらやましかったのでは? そもそも誤解があったのでは? などと、いろんな可能性を考えることができます。
もちろん、必ずしも想像したことが正解かどうかは分かりませんが、自分だけを責めたり、相手だけを責めたり、という一方的な辛さから開放されるかもしれません。
こういった視点を変えて相手の気持ちを考えることができる、ということも、読書から得られるメリットの一つ。特に本は文字だけでイメージする必要があるため、自然と文脈や行間までも注意深く読み取っていくことになります。
本を読めば読むほど、あなたの想像力は羽ばたき、他者の気持ちを想像することもできるようになるでしょう。
アイデアのヒントがたくさん!発想力がみがかれる
もしあなたが安定した日常を過ごしていたら、それはとても素晴らしいことです。けれど、ワクワク、ドキドキ、ハッとするような刺激がないと新しい発想もなかなか生まれません。
その点、読書は家にいながら、通勤の電車に揺られながら、カフェでコーヒーを飲みながら、世界中のあらゆる知識や情報に触れることができ、新しいアイデアのヒントをつかむことができます。
その時にすぐに役立たなくても、後から「あ、そうだ、これはあの本に書いてあった!」と思って、それを手掛かりにアイデアが生まれるといったことも。
仕事のアイデアだけではありません。ちょっと気の利いた台詞や知識・情報で、大事な人が笑ってくれたらそれだけで幸せになりますよね。
これもまた読書のメリットの一つです。
知識が増えて自分で考えられるようになる
自分の頭で考えろ、とはよく言われますが、土台がないのに家は建てられません。
つまり一般的な知識や専門的な知識がなければ、いくら考えても正しい結論にたどり着くことはできないのです。
人間関係や病気、災害についてなど、
「◎◎だったらどうしよう」
とすぐに悪い方に考えてしまう人は、まずはゆっくり落ち着いてその原因を知って理解を深めれば、無駄に心配しなくて済むようになる可能性があります。
難しい専門書でなくても、世の中には楽しく読みながら知識を深めることができる本はたくさんあります。そもそもなぜすぐに不安になってしまうのか、心の動きを探る心理学の本もあります。
まずはそうしたものから少しずつ知識を身につけていけば、あまりにも偏った言論に陥ることなく、客観的な視点で物事を判断できるようになり、やがて考えの元となる土台(知識の積み重ね)が築かれていくはずです。
そうすればようやく、「自分の頭で考える」ということもできるようになるのではないでしょうか。
※これは要注意事項ですが、活字化されているからといってすべて正しい情報とは限りません。くれぐれも陰謀論や怪しい健康についての書籍にはご注意を。
新しいチャレンジができる勇気が生まれる
もしあなたが今の状況に不満を抱えているなら、今すぐストレスを発散しなくてはいけません。
さっそく本を開いてみましょう。
本を開けば、目の前の現実から離れて、架空の世界に飛び立つことができます。
「そんなの現実逃避してるだけだろう」って?
いえいえ、現実逃避だって重要なストレス解消法です。「何かに熱中しているときだけ、人は苦しみから逃れられる」という言葉を、誰か言ったか言わなかったか……なんて。
読書でしばし現実から離れ、架空の世界に心を遊ばせていると、自然と自分のいる世界だけがすべてではないということに気づくでしょう。
- 自分と同じように傷ついている主人公
- 困難な状況を乗り越えてチャレンジする登場人物たち
- 今までの悩みが吹き飛ぶような斬新な考え方
そんな本の中のお話に背中を押されて、また新たな気持ちで現実に向き合ったり、実際に新しい生活へ一歩を踏み出す人もいます。
<読書で心を休め、明日への勇気をもらう>
そんな経験は私にもよくあることです。
《あなたは一人ぼっちではない》と教えてくれる
実は、私が読書する一番のメリットであると考えているのが、この「この世界であなたは一人ぼっちではないと教えてくれる」でした。
本を読んでいると、必ずどこかには自分に近しい人物や、尊敬できる人物に出会えます。それは歴史上の偉人かもしれないし、架空の世界を生きるヒーローかもしれません。
部屋の隅で膝を抱えている僕かもしれないし、バイト帰りの道をとぼとぼと歩いている私かもしれません。
自分からは恵まれているように思える立場の人でも、生きていればいろんな悲しい事件に遭ったり、苦しい想いをしています。言われてみれば当たり前のことですが、私たちはすぐに
「こんなみじめな思いをしているのは私だけだ」
「私の悲しい気持ちを分かってくれる人なんていない」
「私はひとりぼっちだ」
と思ってしまいます。
そんなとき、きっと本の中の友達が手を差し伸べてこう言ってくれるでしょう。
「あなたは一人じゃない」と。
ちょっと大げさだと思われるかもしれませんが、これは本当のことです。
読書習慣を身につけるためには?
このように読書にたくさんの効果がある、ということはおわかりいただけたと思います。
それでは、これから読書習慣を身につけていくためにはどうしたらいいでしょうか。
実は、読書習慣を身につけるのにはちょっとしたコツがあります。
- 短くても空き時間に楽しむ
- 興味ある本の作者やジャンルから芋づる式に読む
- 最初から全部読もうと思わなくてよい
つまり、読書をすることに「ぜ~んぜん構えない」ということ。
あなたの心から湧き上がる好奇心を大切に、どんどん本を手に取ってみてください。
ちょっとしたスキマ時間に。
面白くなければ次の本へ。それでOK。
無理なくマイペースで楽しめる方法を、少しずつ本を手に取りながらさぐってみましょう。
そして、最初にご紹介した世界各国の「読書の効果に関する調査研究」の中に出てきた、読書活動が活発な国「フィンランド」、「カナダ」で推進されている電子書籍やオーディオブックを活用することも重要です。
電子書籍の良いところは、いつでもどこでもスマホやタブレット、PCで読書が楽しめるところです。何冊も持ち歩く必要はありませんし、収納場所にも困りません。読書を習慣づけるにあたって、ぴったりのツールです。
たとえば、AmazonのKindle Unlimitedという、電子書籍が読み放題のサービスは、実用書から小説まで幅広く揃っているのでどなたにもおすすめできます。実際に私も3年以上使っているサービスで、月額980円(30日間無料体験あり)なのでかなり本代を節約できています。詳しくは下記をご覧ください。
また、耳から聴く読書「オーディオブック」は、忙しい現代人にぴったり。通勤中はもちろん、ジョギングや家事をしながらの「ながら聴き」ができると日本でも今、大注目されているサービスです。活字が苦手で困っているという人は、「耳で聴く読書」なら読書が大好きになるかもしれませんね。
例えば、オーディオブックサービスの大手、AmazonのAudibleについては下記をご覧ください。
お子さんに読み聞かせをしてあげたいけれどなかなか時間が取れない…とお悩みの方は、Audibleにもたくさんの童話や昔話、児童書がたくさんあります。
また、約100冊の絵本や童話の読み聞かせ音声が楽しめる、素敵なサービスもあります。
ぜひお試しを。
あなたにピッタリの読書の相棒(サービス)が見つかることを祈っています◎
まとめ/研究データに基づく読書がもたらす効果について
今回は、読書がもたらす効果について、研究データをもとにしながら紹介しました。
研究データからは、
- 子どもの学習能力に読書は強い影響力をもつ
- 大人も好奇心をもって読書することで脳を成長させることができる
- 多様な人々が暮らす社会的変化の多い現代において、読解力や思考力、想像力を養う読書活動は重要
ということがわかりました。
また、読書の具体的なメリットとして、
- 語彙力が上がり、文章力・コミュニケーション力もUPする
- 多様な価値観で感性をアップデートできる
- 想像力が広がり思いやりも生まれる
- アイデアのヒントがたくさん!発想力がみがかれる
- 知識が増えて自分で考えられるようになる
- 新しいチャレンジができる勇気が生まれる
- 《あなたは一人ぼっちではない》と教えてくれる
ということも具体例をあげてお伝えしました。
読書習慣を身につけるためには、電子書籍やオーディオブックを活用していくのが最適です。
そこで使いやすい3つのサービスをご紹介しました。
いずれも30日間、あるいは1ヶ月の無料体験が可能ですので、まずはトライしてみましょう。
月額料金も、本を何冊も買うことを思えばとってもお得です(文庫本は一冊700円~800円以上、単行本は一冊1,500円~2,000円以上、絵本は一冊1,300円~2,000円以上はします)。
読み放題、聴き放題でいろんな本を楽しめるから、これから自分の好きな作家さんやジャンルを探したい方にもぴったりですね!
・Kindle Unlimited(月額980円/30日間無料体験あり)
・Audible(月額1,500円/30日間無料体験あり)
・絵本読み聞かせアプリみいみ
読書は役に立たない、などという人もいますが、せっかくの人生、子どもも大人もイキイキと楽しみながら暮らしたいと思いませんか?
人生を楽しく生きるために、実に読書は有効で有益な手段なのです。
読書のメリットを知ったこれからは、自信をもって読書を楽しんでいきましょう。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
いつも本と一緒。本と いる。
コメント