最近、なんだか落ち込みがち。
今までうまくいっていた、もしくはこれからうまくいくはずと信じていた明るい未来への希望が、いつの間にか薄れてしまい、灰色の空のもと独りぼっちで先の見えない道を歩いているよう。
「もしかしたら、ずっと私は死ぬまでこのままかも」
「私って何のために生きているのかな…」
うまくいっているような周囲と比べたり、これから先の将来を考えて、なんとなく不安になる。最初は小さな不安が、やがてだんだん重苦しく自分自身にのしかかって来る。
そんな「人生の魔宮」に足を踏み入れてしまった方、ようこそ。
あなたは一人ではありません。
そういう想いに捉われたこと、そしてこれからも時々捉われるだろうことを、私も知っています。
まずは疲れた体と心をいたわって、おいしい飲み物でも用意しましょう。
そして明日からの人生をちょっとだけ楽にしていきませんか?
今から紹介する10冊の中から、気になったものをピックアップしてページを開いてみてください。電子書籍、またはオーディオブックとしても聴ける作品もあるので、ダウンロードすれば今すぐ読むこともできます。辛いときは遠慮なく心の処方箋である本に頼りましょう。
さあ、心をこめてセレクトした、<あなたの明日をちょっと楽にする、運命の一冊>どうぞ。
- ブログ管理人:hontoiru
- 編集ディレクターを経て現在はフリーライター
- 本業では主に飲食系やエンタメ系のライティングを担当
- 趣味は読書、歴史、カフェ巡りなど
目次
人生に落ち込んだときは「孤独」を恐れるな
落ち込んだとき、「独りぼっちだな」と感じて寂しくなったりしていませんか? 「孤独」というと、何だか悪いことのように思う人もいますが、そんなことはありません。そもそも、誰もが一人でこの世に生まれてきて、一人でこの世を去っていくのです。ほとんどの人が日常的にそんなことをすっかり忘れて生きているだけで、本来人間は「孤独」で当然なのです。
さあ、今こそ深い感受性をもって一人の時間を楽しみましょう。きっと下記の本たちが頼もしい味方となってくれますよ。
『自分の中に毒を持て<新装版>』岡本太郎
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「芸術は爆発だ!」というキャッチ―な名コピーで有名な芸術家・岡本太郎のエッセイです。氏のほとばしるような熱い魂の言葉は、今もなお多くの人々の心を惹きつけます。例えば、自分に自信のない人間は「自分はそういう人間なんだ駄目なんだ」と平気で認めること。強くなろうとジタバタしなくていい、気が弱いんだと認めれば、かえって自分なりに積極的になれるものが出て来るのだ、何かこれだと思ったらまず他人の目を気にしないことだ、と力強く教えてくれます。何をすればいいのか分からないのは当たり前、まずは無条件で挑戦してみるんだと、あなたの背中を押してくれる一冊です。
『俳句の図書館』堀本裕樹
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世界で一番短い詩、それが俳句です。私が俳句を好きなのは、たった十七文字だけなので覚えやすくていつでも思い出せるから。心が沈んだときには、ポケットから宝物の欠片を取り出すように、その時の自分に寄り添ってくれる一句を心の中で呟いてみます。するとずっと前から知っていたはずの句なのに「あれ?もしかしたら作者はこんな気持ちだったのかも」などと新鮮な驚きがあったりして友達を見つけたように助けられるのです。この本の中には、数ある俳句の中からとっておきの名句がセレクトされており、作られた時代背景や作者についても知ることができます。季語や俳句の作り方も載っている、素敵な俳句の入門書。あなた自身の今の落ち込んだ気持ちを表すために、俳句にチャレンジしてみるのもおススメです。巻末対談は、又吉直樹。
『私とは何か――「個人」から「分人」へ』平野啓一郎 ◆
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もしかしたらあなたは、「私」というものが何か分からなくなってしんどくなっているのではないですか? もしそうなら、こちらの本がおススメです。そもそも「私」って何でしょうか。会社での私、家庭での私、友人の前での私、母としての私、子どもとしての私……、どれも仮面で本当の「私」は違うと思いがちですが、本当はどれもが「私」であり、本当の自分は一人ではないのです。この考え方を著者は「分人主義」といいます。作家である著者が、小説と格闘する中で生まれた目からウロコの新しい考え方を知れば、恋愛・職場・家族といった人間関係の悩みを別の視点から見られるようになるでしょう。
人生に落ち込んだときは「肩の力」を抜こう
落ち込んだときは、眉間にしわが寄って一本調子の考え方におちいりがちです。よく言えば真剣、真面目ですが、視野が狭くなってしまっているともいえます。無理して茶化して笑って済ませる必要はありませんが、どんなにどん底の状況でも必ず朝日が差し込む日が来るはずです。
私が好きな作家・中島らもの本に「落ち込んでいたとき、外から『や~きいもっやきいも、おいしいやきいも~っほくほく~』という間が抜けた石焼き屋の声が聞こえていて、すっかり悩むのがバカバカしくなってしまった(大意)」という話がありました。あなたの肩の力を抜くために、こんな本はいかがでしょう。
『さよなら私』みうらじゅん ★
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「マイブーム」「ゆるキャラ」など、様々な流行語を生み出してきたみうらじゅん。「人は常に不安を抱えているのに、ちょっと浮ついたり、何かに熱中しているときに忘れているだけ」、「『不安』になったときは『不安だ』の後に『スティック』をつけて『不安ダスティック』と口にしてみよう。なんだか素晴らしい気分になる』など、生きる不安への飄々とした向き合い方が書かれています。結局、世界は変わらないから変えられるのは自分の受け取り方だけなんですよね。そして悩み事すら「白い豆腐(脳みそ)」の幻想にすぎない。そんな深くも軽妙なエッセイに、あなたの思いつめた気持ちもきっとほぐれて、ふふっと笑ってしまうこと間違いなし!
『文豪たちの悪口本』彩図社文芸
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「文豪」というと人間的にも優れた、いわゆる「偉人」かと思っている人もいるかもしれませんがとんでもない。嫉妬心が強い、コンプレックスの塊、恋愛にだらしない、借金だらけ、「ほんとに人間としてどうなの?」と思う人たちばかりなのが、作家という人種です。この本には、文豪同士の喧嘩や家族へのあてつけ、世間への愚痴など、随筆や日記、手紙などから選び出した文豪たちの赤裸々な文章がぎっしり。川端康成に「刺す」と言った太宰治や、周囲にからみまくった中原中也、妻をめぐって騒ぎになった谷崎潤一郎&佐藤春夫など、なんだ、みんな滅茶苦茶じゃないかと呆れるほどのエピソードに、笑いながらいっそ愛しく思ってしまうかもしれません。
人生に落ち込んだときは「自信」をつけよう
自分に自信がない、という場合、外見から変えてみることもありだと思います。「いやいや外見だけ着飾っても…」と思った方もいるかもしれません。でも、ふとショーウィンドウに映った自分にがっかりして一日嫌な気分になったことってありませんか? 特に30代後半~40代以降のおしゃれは、モテるためでもちやほやされるためでもない、自分のためにするのではないか、と私は思っています。
背筋をすっとのばして、自信をもって歩いているとそれだけで自分自身が一番気持ちがいいはず。そのために、今の自分にぴったりのメイクやファッションを楽しんでみましょう。あなたにはその価値があるんですから。
『メイクの教科書』かじえり ★
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人気YouTuberであり、メイクの資格をもってメイク講師としても活躍する著者が提案する、「人のパーツ」を活かすメイク法。基本のメイクについてはもちろん、丸顔や一重などの顔の悩みをカバーし活かす「自分の顔がもっと好きになるメイク術」を教えてくれます。また、雰囲気が変わる色使いのテクニックや、質感、メイクツールの使い分けなど、改めて知ることも多いはず。この機会に、自分のコンプレックスをほんの少しでも許してあげられるといいですね◎
『36着の洋服でまわる 大人のクローゼット整理術』倉田エリ ★
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洋服はたくさん持っているのに「今日着たい服がない」という謎の怪奇現象に悩んでいる方、いらっしゃいませんか? まさにそんな方にぴったりの一冊。実は自分がもっているものの中で、本当に使っているものは3割に満たないのだとか。思い当たる節は……ありますよね。クローゼットや引き出しの中にずっと眠ったままの「いつか着る服」、全然着てないけれど「高かったから捨てられない服」……。仕事や家族構成、好みなど変わっていく環境の中で、今の自分にとって必要なものは何か。人生を変えたいと思った今こそ、『本当に必要な服だけに厳選したクローゼット』作りに挑戦してみませんか?
『色を楽しむ大人のおしゃれ』堀川波 ★
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気分が落ち込む日々は、思わず着る服も手に取る物も黒や紺、グレーばかり…。そんな経験はありませんか? 私はありました。ある日、「黒が好きなの?」と知人に指摘されてハッと気づいたんです。好きで黒を着ているならいいのですが、無意識に手に取っていたことに…。そこで、なるべくほかの色を身の回りに取り入れるようになりました。すると不思議と気分も前向きになり、色のパワーを実感したことがあります。この本には、ちょっと勇気のいるきれいな色も、自分らしく着こなせるヒントがたくさん。色彩を味方につけて、次の週末は好きな場所に出かけてみましょう!
人生に落ち込んだときは「教養」をみがこう
実は自分だけの悩みのように見えることも、はるか昔の人々も悩んできた共通問題だったりします。「こんなことを考えてしまうのは私だけでは?」「私の苦しい気持ちは誰にもわかってもらえない…」、そんな想いにからめとられたときには、自分の周囲から視点をずらして、過去から学んでみてはどうでしょうか。
下記の2冊は、最近書店で見つけて面白く読んだ本です。落ち込んでナイーブになっている今の心にこそ、しっかりと言葉の力がしみわたっていくと思いますよ。
『エモい古語辞典』堀越英美
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「恋心が燃え広がるさまを、草が生い茂ることにたとえた言葉」って、何というかご存知ですか? 当時のヤングたちがドキドキしながら使っていたナウい言葉を拾い集めた「エモい古語辞典」。「海抱石」「月長石」「鳥兎」「仄々明け」など、目にも美しい表現がずらりと並び、感性がぎゅんぎゅんと刺激されます。創作をする方はもちろん、そうでない方も書き留めておきたくなる素敵な言葉がたくさん。それにしても、「ヤング」「ナウい」がそうであるように、「エモい」もやがて死語になり古語になるんでしょうね。今と過去を結ぶ辞典に、この”今”も過ぎ去っていく無情を感じつつ、ゆっくりとドリンクを片手に楽しみたい辞典、というよりもはやこれは詩集です。
『源氏物語 解剖図鑑』佐藤晃子
¥1,760 (2022/10/24 18:54時点 | Amazon調べ)
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源氏物語は五十四帖にもおよぶ、日本最古の長編小説。その長~~いストーリーや、複雑な人物関係、時代背景などが、これ一冊で分かるありがたい図鑑です。原文はもちろん現代語訳でも全て読むのはなかなか難しい古典ですが、こうやって見取り図のように分かりやすい図鑑があると、まずはハードルが下がってぐっとトライしやすくなりますよね。しかも、姫君はネコで殿方はイヌで描かれるイラストもかわいらしい。源氏物語はある程度知っておくと、実は現代の文学やアニメ、アート作品にもいろいろと影響を及ぼしていることがよく分かってきて様々に楽しみが広がりますよ。
まとめ/人生に落ち込んだときに読みたい本10選
以上、女性におすすめしたい「人生に落ち込んだときに読みたい本10選」を紹介しました。
- 『自分の中に毒を持て<新装版>』岡本太郎
- 『俳句の図書館』堀本裕樹
- 『私とは何か――「個人」から「分人」へ』平野啓一郎 ◆
- 『さよなら私』みうらじゅん ★
- 『文豪たちの悪口本』彩図社文芸
- 『メイクの教科書』かじえり ★
- 『36着の洋服でまわる 大人のクローゼット整理術』倉田エリ ★
- 『色を楽しむ大人のおしゃれ』堀川波 ★
- 『エモい古語辞典』堀越英美
- 『源氏物語 解剖図鑑』佐藤晃子
★マークがついている作品は、Kindle Unlimitedで読めます(30日間無料体験あり)
◆マークがついている作品は、Audibleで聴けます(30日間無料体験あり)
エッセイから俳句の本、メイクやファッションの実用書、教養本まで、幅広いジャンルからセレクトしています。
今のあなたの気分に合う本が、一冊でもあれば嬉しいです。
※Kindle UnlimitedとAudibleについては下記の記事に詳しく紹介しています。ご興味ある方はぜひ。
もっといろんな本を知りたいという方は下記の記事もどうぞ。
それではまた次の本でお会いしましょう。
いつも本と一緒。本と いる。
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