Audibleは「耳で聴く読書」として今人気のオーディオブックを、読み放題で楽しめるAmazonのサービス。
「ながら聴き」で家事の合間やウォーキング中でも読書が楽しめるので、忙しい人でも本を読む習慣がつきやすいといわれています。
ただ、Audibleは耳で聴くため、複雑な文章や馴染みのない言葉はなかなか頭に入らない…というデメリットが。
なので、たいていの場合、「Audibleでは、実用書やビジネス書を読みましょう」と言われることが多いです。あなたもそんな風におすすめされたことはありませんか?
私もたしかにそうだ、と思っていたのですが、でもせっかくの聴き放題。いろんな小説にトライしてみたいですよね。
そこで、「耳で聴いても分かりやすい小説」ってどんなものだろう…??と考えてみました。
そしてあることに思い当たったんです。それは……
「会話文が多い小説」が一番聴きやすい!ということ。
会話文ってもともと話し言葉なので、複雑な言葉だったり長い文脈を読み取る必要もないわけです。
だから「会話文が多い本」を聞いてみると、とても聴きやすく、内容がどんどん頭に入ってくる!
ものは試し、ぜひ、あなたも聴いてみてください。
というわけで今回はAudibleで聴きやすい小説を2つピックアップしてご紹介しますね。
- ブログ管理人:hontoiru
- 編集ディレクターを経て現在はフリーライター
- 本業では主に飲食系やエンタメ系のライティングを担当
- 趣味は読書、歴史、カフェ巡りなど
【圧倒的】耳からでも聴きやすい!Audibleのおすすめ小説
圧倒的にAudibleで聴きやすい小説。それは、
- 『後妻業』黒川博行
- 『ジョゼと虎と魚と』田辺聖子
です。
『後妻業』黒川博行
プロの作家からも「会話文のお手本になる」と言われるほど、登場人物たちのセリフがうまい黒川博行。ほとんど会話で話が進みます。数人で話していてもきちんと誰が話しているかわかるのは、イキイキとしたキャラ設定が巧みであることの証でもあるでしょう。
後妻業とは、「資産を持つ高齢者を狙って後妻となり、遺産相続することを職業としている女性」のこと。少し前にそんな事件が世間を騒がせたので、「ああ、あれか」とピンとくる方も多いでしょう。この作品は、作者の黒川氏が実際に親交のあった歌人・道浦母都子(みちうらもとこ)氏の父親に起こった事件をモデルにしたそうです。
ゾッとするほど冷淡で自己中心的な後妻業の女・小夜子は、しかしなんというしたたかで生きる力の強い女性でしょうか。また、相棒の柏木という男も小悪党ながらどこか憎めないところがある。こういう人物たちにも一種の魅力を感じてしまえるというのも、小説の醍醐味の一つといえるかもしれませんね。現実にそんな人物が家族の周りにいたら……と思うと、これはもう恐ろしいの一言でしかありませんが。
朗読をされている前田一世氏、野々村のん氏の大阪弁も小気味よい。深刻な話でも大阪弁になると、どこか飄々とした面白さが漂うのは不思議なものです。
きっと一気読み、いや一気聴きしてしまいたくなること間違いなし!
『ジョゼと虎と魚たち』田辺聖子
田辺聖子氏の作品には、大人の女性の強さと少女の危うさがあります。サバサバしているようで、とても少女趣味。宝塚歌劇が大好きという氏の心は、何冊も出版されている平安時代の古典を紹介する作品からもにじみ出ています。
この「ジョゼと虎と魚」も、少女の想いがあふれた作品。ジョゼの苛立ちには、自分の感性と現実の食い違いにもがいたことのある元・少女には思い当たるところがあるかもしれません。広い世界を知らず、素直に想いを告げられず、けれど持て余すほどの憧れや愛情で胸をはちきらせている。そのみずみずしさには胸をしめつけられるほど。
「後妻業」と同じく、こちらも大阪弁が心地よい作品ですが、「後妻業」が強烈な印象を残す大阪弁なら、「ジョゼ~」の方は柔らかで愛らしい大阪弁。
耳で聴くからこそ余計にその違いをはっきりと感じることができるでしょう。
まとめ:Audibleで聴きやすい小説
以上、Audibleで聴きやすい小説を2作紹介しました。
- 『後妻業』黒川博行
- 『ジョゼと虎と魚と』田辺聖子
どちらも奇しくも大阪弁でしたが、方言って耳で聴いたほうがよりリアルに感じますね。
ああ、そうそう、2作品とも「大人の男女の表現」がしっかり出てきますので、他にどなたかがいるような場所ではヘッドホンで聴かれることをおすすめします笑
Audibleについては「Audible(オーディブル)を無料体験してみた!楽しむコツ~解約方法まで紹介」に詳しく紹介していますので、まだAudibleを試していないという方はぜひご覧ください。
30日間の無料体験ができますので、ぜひ今回紹介した「後妻業」や「ジョゼと虎と魚と」を聞いてみてくださいね。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
いつも本と一緒。本と いる。
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